【2025年最新】パームシュガーとは？健康の効果・使い方・ベトナムお土産としての魅力を解説

Star Kitchen編集部
9月30日
読了時間: 9分

更新日：10月1日

最近注目を集めているパームシュガーは、東南アジアで古くから親しまれている自然由来の甘味料。本記事では、パームシュガーの特徴・栄養成分・白砂糖やココナッツシュガーとの違い・健康効果・現地での購入方法・Ｑ&Ａまで、わかりやすく解説します。

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パームシュガーってなに？歴史と使用方法と基本知識

ベトナムや東南アジアでよく見かける「パームシュガー」は、日本では「ヤシ糖」と呼ばれています。オウギヤシやナツメヤシなどの東南アジアに生息しているヤシ科の植物から採れる砂糖のことで、同じヤシ科のココナッツから採れる「ココナッツシュガー」とは別品目で扱われています。

パームシュガーは血糖値の上昇が穏やかな低GI食品で、優しい甘みが特徴。近年日本でもカルディで販売されたりと、健康志向な方を中心に注目を集めているベトナムの名産品です。現地を訪れる前に知っておきたい逸品でもあります。

クメール族が作り出した自然由来の優しい甘さは無形文化財へ

カンボジアとの国境沿いにあるアンザン省には、パームシュガーの原料となるオウギヤシがたくさん生息しています。この地域に住むクメール族は、古くからこのオウギヤシでパームシュガーを作ってきました。その作り方は素朴で簡単ですが、時間をかけてゆっくりと作られています。

①一晩かけてオウギヤシの花茎から樹液を採取

②樹液を沸騰させて、時々かき混ぜながら砂糖を抽出

2024年にはクメール族が作る伝統的なパームシュガー作りは、国の無形文化財として認定されました。オウギヤシは高さ15m以上に成長する大型植物なので、樹液を採るために登るのも大仕事。しかし、このパームシュガーは現在も多くの農家さんの大切な収入源となっています。

現地でパームシュガーは大活躍！

パームシュガーは砂糖として料理に活用されるのはもちろん、産地のアイザン省では樹液の状態から加工したジュースやジャムもあり、パームシュガーを使った「Bánh Bò Thốt Nốt」と呼ばれる蒸しパンのようなケーキも大人気。日本の「ぜんざい」のようなベトナムのデザート「Chè（チェー）」に使われる場合もあります。黒糖のような奥深い優しい甘さなので、日本人にも馴染みやすい味わいです。

現地での価格と他の砂糖との違い

パームシュガーは現地で9万8,000vnd（約550円）程度で販売されています。お土産用でなく、簡素なパッケージのものならもう少し安く販売されているケースもあるので、気になった方は現地のスーパーマーケットなどを覗いてみてください。

さて、パームシュガーは日本で一般的な白砂糖・黒糖・ココナッツシュガーとはどう違うのでしょうか？4つの砂糖の違いを比べてみました。

	パームシュガー	白砂糖	黒糖	ココナッツシュガー
原材料	ヤシ科（オウギヤシ・ナツメヤシなど）	サトウキビ	サトウキビ	ココナッツ
豊富な栄養素	ミネラル（カリウム・鉄・銅・マグネシウム・カルシウム・亜鉛・リン）ビタミンC ポリフェノール低GI　など	炭水化物	ミネラル（カリウム・カルシウム）ビタミン	ミネラルビタミンアミノ酸グルタミン酸　低GI　など
味わい	優しく強すぎない甘み	しっかりとした強い甘み	コクのあるしっかりした甘み	自然なコクを感じる優しい甘み
おすすめの使い方	水に溶けやすいのでドリンクやデザートに使いやすい	料理・製菓など汎用性が高い	お饅頭などの和菓子	蒸しパンなどに使えば優しい甘さに
注意点	バターには溶けにくい	甘みが強いので入れ過ぎに注意	独特の風味があるので中には合わない料理も	冷たいものには溶けにくい

パームシュガーは白砂糖に比べると栄養素がかなり高く、ココナッツシュガー同様に低GIなので日常生活に取り入れると健康を意識した生活ができる食品です。また、日本にあるブラウンシュガーは茶色い砂糖の総称。白砂糖と栄養素などに大きな変わりはありません。

パームシュガーを保管する際は密閉容器に入れて、湿度や害虫に注意しながら冷暗所で保管しましょう。

パームシュガーの健康効果と栄養価について

白砂糖は特筆すべき栄養素がほとんどないにも関わらず、パームシュガーにはたくさんの栄養素が含まれています。以下では特筆すべき4つの栄養素をご紹介します。

ミネラル

→ミネラルは必須栄養素でありながら、人間の体内では作れない大切な栄養素です。パームシュガーには豊富に含まれているので、体の生理機能や形成維持に役立ちます。

ビタミン

→体の機能を正常に保つために必要な栄養素で、特にビタミンCが豊富に含まれています。

ポリフェノール

→パームシュガーに含まれる抗酸化物質のポリフェノールは、生活習慣病やシワ・たるみなどの予防に役立ちます。

低GI

→血糖値の上昇が緩やかなので体への負荷も少なく肥満になりにいといわれています。生活習慣病の予防にもつながります。

パームシュガーは、体内で作れないミネラルやビタミンだけでなく、抗酸化作用のポリフェノールまで含んだ優秀食品です。貧血・美容・アンチエイジング・腸活など、様々な効果を得ることが期待できます。さらに、血糖コントロールがしやすい低GIなので、肥満や生活習慣予防にも最適です。

また、ベトナムで作られるパームシュガーは広大な自然で育ったオウギヤシが原料で農薬不使用、採取も自然に優しい昔ながらの方法です。現地の農家さんの伝統を受け継ぐ取り組みによって、ベトナムではよりナチュラルなパームシュガーを味わうことができます。

パームシュガーを購入する方法とおすすめのお土産

ベトナム旅行のお土産にパームシュガーを買いたいと思ったら、市場・お土産店・スーパーマーケットなどに立ち寄ってみるのがおすすめです。日本でも業務スーパー・カルディ・ネットなどで購入できますが、店頭で常に販売しているわけではないので注意が必要です。

ホーチミン	ベンタイン市場お土産店スーパーマーケット
ハノイ	ドンスアン市場ハノイ商店 Anne's Maison スーパーマーケット

パームシュガーは固形状のものや顆粒タイプなどがあるので、迷ったら用途に合わせて選ぶのもおすすめ。日常的に食べやすいヨーグルトやコーヒーとの相性もピッタリなので、ぜひお試しください！

Q&A

ダイエット中・糖尿病の人でも使える？

→パームシュガーは砂糖より栄養価は高いのですが、100gあたり約375カロリー（白砂糖は100ｇあたり391カロリー）あるので摂り過ぎには注意が必要です。また、低GIとはいえお砂糖ですので、栄養素を多く含む砂糖の代替甘味料として、主治医の指導の元で適量をご活用ください。

保存方法は？どれくらい日持ちしますか？

→パームシュガーは湿気に弱いため密封容器保存が必須です。また、害虫の侵入を防ぐ目的でも密閉容器がおすすめ。正しく保管すれば白砂糖同様の長期保存が可能です。

ベトナム旅行でのお土産に持ち帰れる？

→ベトナムから持って帰れないと現在明言されているものは以下の通りです。

生の果物・生鮮食品（果物・野菜含む）・肉製品・乳製品・偽ブランド品・コピー品・はく製・骨董品・アダルト製品

パームシュガーについて記載はありませんが、液体状の物は没収されてしまう可能性があります。税関ルールや持ち込み制限については、実際に現地を訪れる前に最新情報をご確認ください。

ベトナムの自然派甘味料パームシュガーは、健康的な旅のお土産にぴったり！

ベトナムのパームシュガーは、オウギヤシから作られる栄養豊富なお砂糖。日本で一般的な白砂糖に比べて高い栄養素が魅力です。ベトナムやタイ旅行ではお手頃価格で購入できるおすすめのお土産のひとつで、健康志向の方にはぴったりです。近年は日本でもカルディや通販で手に入れることもできるので、正しい知識で上手に取り入れてヘルシーな生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。